NOTE 05ミックス約10分

EQは、音色の問題を小さくほどく。

低音は厚み、中域は言葉、高域は空気感。そんな目安は入口です。実際の声を聴いて「いつ、何が多いか」を探しましょう。

この章のゴール

常にある問題と、ときどき出る問題で処理を選び分ける。

「いつ削るか」を考える

説明用シミュレーション
EQの概念的なカーブ横軸は低い周波数から高い周波数、縦軸は増減。中央の帯域に谷を作る例。実際の周波数応答を再現する図ではありません。低い高い →0減周波数ごとの増減

静的EQは、通常の母音にも同じカットが作用します。削りすぎによる薄さを確認しましょう。

音声の再生や処理は行いません。値は図の変化を理解する例示であり、推奨設定ではありません。ダイナミックEQの検出や時間応答は単純化しています。

周波数・ゲイン・Qの役割

周波数は調整する高さ、ゲインは増減する量、Qは作用する幅の目安です。ベル型はある範囲を持ち上げたり下げたりし、シェルフは高域または低域の広い範囲を傾けます。ハイパスは低い側を減らしますが、上げすぎれば声の胴体も失われます。

「ボーカルは必ずこの周波数をカット」というルールはありません。声質、マイク、距離、曲の密度で必要な場所は変わります。強くブーストして探した音を、そのまま問題と断定せず、通常の音量とゲインに戻して判断します。

静的EQとダイナミックEQ

ずっとこもるなら静的EQが候補です。一部の母音だけ響くなら、その箇所の音量編集、オートメーション、ダイナミックEQを検討します。ダイナミックEQは条件に応じてその帯域のゲインを動かすため、常時削るより普段の厚みを残せる場合があります。

ただし、動く処理なら自動で自然になるわけではありません。反応する帯域、しきい値、変化の幅を確認し、必要な箇所以外でも声が痩せていないか聴きます。

Pro-Q 4とWavesの例

FabFilter Pro-Q 4では、静的なバンドとダイナミックEQを使い分ける考え方を学べます。スペクトラムは見つける手掛かりで、山があるだけで悪い音とは限りません。数値より、処理したい母音が出る瞬間と音色の変化を結び付けます。

Waves F6もダイナミックEQを考えるための製品例です。所有を前提にせず、手元のEQと音量編集だけでも同じ問題を考えられます。メーカーごとにノブ名や反応の設定方法は異なります。

良くなったかを確かめる観点

音量をそろえ、伴奏の中で歌詞が聞こえやすくなったか、母音の自然な厚みを失っていないか、サ行が前に出すぎていないかを確認します。低音を減らしてすっきりした直後は魅力的でも、全曲で聴くと頼りなくなることがあります。

Try it / 小さな実践

「いつ鳴るか」を先に探す

  1. こもりや響きが常時か、一部の母音だけかをメモする。
  2. 一つのバンドか一か所の音量編集だけを試す。
  3. 補正していない母音も聴く。
  4. 音量をそろえて、全体で残すか戻すか決める。

実践時間・操作量は目安です。まず一つの短い区間で、聴き疲れる前に休憩を。

自分の耳で、確認しよう。

0 / 3 チェック

理解できたところまでで、大丈夫。

「確認済み」はいつでも取り消せます。

この章の公式資料

資料確認日:2026-10-16。本文は初心者向けに再構成した解説です。操作名は所有バージョンの公式説明を優先してください。

資料一覧と検証の範囲 →